2023.02.20

岐阜県の郷土料理とは?種類や特徴をご紹介

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こんにちは!岐阜県で季節の素材を使った創作菓子を販売する「恵那川上屋」です。

 

岐阜県は県の8割が森林を占め、そこから流れ出る豊富な水資源は美味しい農作物をつくるだけでなく、伝統産業発展の礎にもなっています。

 

そんな岐阜県は、地理的な環境条件から生まれた郷土料理が多数あり、多くの人々に親しまれています。

 

今回は、岐阜県の郷土料理についてのお話です。

 

岐阜県の食文化の特徴についてもご紹介しますので、岐阜県の郷土料理に興味がある方はぜひ参考にしてくださいね。

朴葉味噌

 

 

岐阜県にはどんな食文化がある?

岐阜県は、県境がどこも海に面していない内陸県です。

そのため、海のものが手に入る機会が少なく、海産物の調理法はやや独特なものが多い特徴があります。

 

また、岐阜県は日本のほぼ中央に位置しているのも地理的な特徴の一つ。

岐阜県の面積は大きく、北部の飛騨地方と南部の美濃地方に分かれます。

 

北部の3,000m級の山々が連なる飛騨山脈が走る飛騨地方に対して、南部の美濃地方は東部は山間地、南西部は濃尾平野が広がります。

 

このように、北部と南部で気候や地理の特徴が大きく異なるだけでなく、県の8割を森林が占める地形によって、山間地域では独自にそれぞれの食文化が発展してきました。

 

そのため、料理名は同じでも、地域によって調理法が異なることも多いのが岐阜県の郷土料理の特徴です。

 

さらに、岐阜県は日本の食文化を分断するエリアであることにも注目。

美濃地方にある関ヶ原は、1600年に「関ヶ原の戦い」で徳川家康が石田三成らを破った場所です。

 

正月に食べられる餅は、一般的には「東は四角餅、西は丸餅」といわれています。

なんとその分岐点が、関ヶ原なのです。

 

「天下分け目の関ヶ原」といわれるとおり、関ヶ原は日本の食文化を東西に分断したといった意味でも重要な場所となっています。

 

 

岐阜県の郷土料理をご紹介!

五平餅

地理的な特徴や文化に富んだ岐阜県の郷土料理をご紹介します。

 

1.朴葉(ほおば)使った郷土料理

岐阜県には、朴葉を使った郷土料理が豊富にあります。

 

①朴葉味噌

主に、飛騨・高山地方で食べられる郷土料理で、朴の木(ほおのき)の大きな葉の上に、自家製のこうじ味噌をのせて炭火などで焼いて食べます。

 

焼いた味噌が香ばしく、白いごはんのおともや酒の肴にうってつけです。

 

誕生のきっかけは諸説ありますが、寒い飛騨・高山地方では、囲炉裏(いろり)にの火に皿代わりにして朴葉を置き、その上に味噌や漬物をのせて温めて食べたことがはじまりだともいわれています。

 

炭火で焼くのが伝統的な食べ方ですが、現在ではフライパンやホットプレートで焼いて食べられることもあります。

 

詳しくは「朴葉味噌とは?その特徴や味わい、美味しい組み合わせをチェック」をご覧ください。

 

②朴葉ずし

同じく朴葉を使った郷土料理に、朴葉ずしもあります。

朴葉ずしは初夏の料理で、朴葉の抗菌作用を利用したもの。

夏の暑い時期に朴葉を酢飯に巻いて傷むのを防ぎ、田植えの合間などに食べられていたといわれています。

 

現在は、サバやサケの酢漬けに錦糸卵など、具が7~8種類入ったものが多く見られますが、元々は北陸から入ってくる塩ザケを酢締めしてのせただけのシンプルなものだったといわれています。

 

③朴葉を使った和菓子

朴葉を使った伝統的な和菓子に「朴葉もち」があります。

朴葉もちは、あんこを入れたもちを朴葉で包んだ定番のものだけでなく、あんこ入りの餅を枝がついたままの朴葉で包んで蒸し上げたものもありますよ。

 

また、あんこを入れたもちを団子型に丸めて朴葉で巻き、蒸して作った和菓子のことを「朴葉まき(朴葉だんご)」といいます。

香ばしい朴葉の香りが移り、風味豊かな味わいが楽しめます。

 

恵那川上屋にも、朴葉を使った創業から続くロングセラー羊羹「くり壱」があります。

栗きんとんを芯に、甘さ控えめの蒸し羊羹を朴葉で包み蒸し上げた一品です。

 

興味のある方は、ぜひチェックしてみてくださいね。

 

2.鶏(けい)ちゃん

鶏(けい)ちゃんは、郡山市や下呂市、高山市南部に伝わる伝統料理で、誕生したのは1950年ごろといわれています。

 

鶏肉、キャベツ、玉ねぎ、ピーマン、もやしなどをタレとからめて鉄板で焼いて食べます。

 

海がない岐阜県では、鶏は重要なたんぱく源。

卵を産まなくなった鶏を食べたことが誕生のきっかけともいわれており、誕生当時は正月などのハレの日のごちそうとして食されていました。

 

1960年ごろからは地元の居酒屋などがアレンジし、味噌味、醤油味、塩味など、さまざまな鶏ちゃんが登場しています。

 

3.五平餅(ごへいもち)

東濃地方や飛騨地方に伝わる伝統料理で、米をつぶしたものを串に巻きつけて、くるみや白ゴマ、落花生と味噌や醤油と混ぜたタレを塗って焼いて食べます。

 

近県の長野県や愛知県でも食べられている地域料理です。

 

名前の由来は諸説あり、神にささげる小判を意味する「御幣(ごへい)」に似ているという説や、川中島の戦いで美濃出身の「五平」という人がこの料理を兵士たちにふるまったという説もあります。

 

元々は秋の収穫を祝うお供え物として用いられ、食事や客人へのごちそうとしても食されてきました。

 

現在では、五平餅専門店やサービスエリアなどでも食べることができます。

 

五平餅については、こちらのコラムでも詳しくご説明しています。

五平餅とは?歴史や名前の由来も知ろう

 

4.赤かぶ漬け

雪深く、寒さ厳しい飛騨地域では、冬の間はとれる野菜も少なく、代わりに漬物が重宝されてきました。

 

なかでも雪や霜に強い赤かぶは特別。

 

赤かぶには乳酸菌が含まれており、糖分と合わさって、ほのかに酸っぱい独特の味わいがあり、貴重な塩を節約するのにも役に立つといわれています。

 

各家庭によって作り方は異なりますが、市販のものは漬物店や土産物店で購入することができます。

 

同じく漬物を使った郷土料理に、酸っぱくなってしまった漬物を塩抜きして煮て食べる「煮たくもじ」や、漬物を炒めて醤油などで味を整えて卵でとじる「漬物ステーキ」などもありますよ。

 

5.鮎(あゆ)なれずし

岐阜市の郷土料理で、塩漬けした鮎(あゆ)の腹に、炊き立てのごはんを熱々のまま詰めて約2カ月間樽で漬け込む発酵食品です。

 

獲れる時期が限られている貴重なたんぱく源である鮎を、長く食べるための知恵から生まれたものといわれています。

熟成後は約1年食べられます。

 

6.柿なます

地域によっては正月料理に欠かせない柿なますは、大根と人参の酢の物に干し柿を加えた郷土料理。

岐阜県は全国でも有数の柿の産地で、かつて干し柿は、野菜や果物などの生鮮食品がとれない冬の時期の貴重なビタミン源として重宝されていました。

 

そんな干し柿については「干し柿には種類がある!干し柿に向く柿の品種もチェック」で、詳しくご紹介しています。

 

また、岐阜県でたくさんとれる柿については「岐阜県は柿が有名!岐阜県で生産されている柿の種類をご紹介」で、柿を使ったスイーツについては「柿のスイーツをお取り寄せ!柿の魅力満載のおすすめスイーツとは」でもたっぷりとご紹介していますので、ぜひあわせてご覧ください。

 

7.桑の木豆煮

桑の木豆煮は、岐阜市のお隣、山県(やまがた)市の郷土料理です。

山県市美山で栽培されたインゲン豆の一種である桑の木豆を、醤油と砂糖で煮たものです。

 

桑の木豆はさやごと乾燥させて保存できる珍しい豆で、桑の木豆煮もさやのまま乾燥させたものを水で戻し、さやごと調理をします。

 

桑の木豆は、桑の木からできた豆、というわけではなく、桑の木の根元に植えられたことから桑の木豆と呼ばれています。

明治から大正時代にかけて美山地域では養蚕業がさかんだったことから、蚕(かいこ)の飼料である桑の木がたくさん植えられており、木が倒れないよう桑の木豆のツルを桑の木にはわせたことが由来です。

 

8.すったて汁

世界遺産にもなっている合掌造りで有名な白川村でハレの日に食べられるのが、すったて汁。

茹でた大豆をすりつぶしたものを「すったて」といい、味噌や醤油で味付けして食べます。

 

すったて汁も雪深い地域ならではの料理で、貴重なたんぱく源である大豆がさかんに作られていたことから生まれた料理だといわれています。

 

すった大豆の汁なので、悪くなりにくい涼しい季節に食べられることが多いです。

 

9.大歳(おおとし)のごっつぉ

大歳のごっつぉは、主に中濃地方、東濃地方、飛騨地方で食べられる、大根や人参、里芋、豆類、糸昆布などを一緒に煮た正月料理です。地域によってさまざまな名称で親しまれ、伝承されています。

 

大晦日、正月三が日と、何度も煮返して食べるもので、料理をせずにゆっくりと過ごせるようにと12月31日にたくさん作って食べます。

現在でも、正月料理として多くの家庭で食べられており、学校給食のメニューにも採用されています。

 

10.からすみ

からすみは東濃地域に伝わる桃の節句のお菓子。

米粉と砂糖を練って蒸したお菓子で、形はかまぼこのようになっています。

 

真ん中が少しへこんでおり、切ると断面が山のように2つの頂を抱いているものが一般的です。

その姿が富士山に似ていることから「わが子が日本一幸せになれますように」との願いが込められているともいわれています。

 

「からすみ」という名前の由来は、高級珍味のからすみと形が似ていることや、中国・唐の時代の道具箱である唐墨(からすみ)に似ていることなど、諸説あります。

 

元々は桃の節句で食べられていましたが、現在では道の駅や農産物直売所などで年中購入することができます。

 

11.みょうがぼち

みょうがぼちは、そら豆で作った餡を小麦粉の皮で包み、みょうがの歯で包んで蒸したお菓子のこと。

田植えの合間のおやつとして食べられていました。

 

初夏から秋に旬を迎えるみょうがの葉は殺菌作用があり、傷みやすい食品をくるむのには最適だったそう。

 

そら豆は栄養も豊富で、素朴な味のおやつとしてだけでなく、栄養補給にも役立っていたといわれています。

 

12.いももち

いももちは、日本全国で食べられている郷土菓子ですが、芋の種類はさつまいもやじゃがいも、里芋とさまざま。

岐阜県のいももちには里芋が使われています。

 

誕生の由来は諸説ありますが、お米が貴重だった時代に手に入りやすい里芋でかさましをしたのが由来だという説もあります。

 

いももちに使われている里芋については「岐阜県の里芋の特徴は?その魅力や美味しい食べ方もご紹介」でもご紹介しています。

いももちについてもご紹介していますので、ぜひご覧ください。

 

13.栗きんとん

恵那川上屋がある岐阜県美濃地方で食べられる栗きんとん。

 

いわゆる、正月に食べる、クチナシの実で鮮やかな黄色に色付けをした栗きんとんではなく、栗を砂糖と炊き上げて栗の形に成形したシンプルなもの。

 

五節句の1つである9月9日は「重陽の節句」は栗節句ともいわれ、その日には菊酒を飲んだり、栗ごはんや栗きんとんをはじめとする栗料理・栗菓子を「行事食」として食べてお祝いします。

 

栗きんとんについては「栗きんとんの時期は秋から!栗きんとんと栗の町の楽しみ方」で、その魅力をたっぷりご紹介しています。

ぜひご覧ください。

 

14.水まんじゅう

水まんじゅうは大垣市の郷土菓子で、明治時代に誕生したといわれています。

くず粉とわらび粉で作った生地であんを包み、井戸水で冷やして食べる冷たいスイーツ。

 

大垣市は水資源が豊富であり、昔は冷蔵庫代わりに野菜や果物を井戸水で冷やしていました。

そんな水が豊かだからこそ生まれた水まんじゅうは、4~9月の水まんじゅうシーズンになると菓子店などで見かけるようになります。

 

郷土料理・郷土菓子は、土産物店で購入できたり、宿泊先で食べられたりするので、見かけたらぜひ食べてみてくださいね。

 

なお、岐阜県には伝統工芸品も多くあります。

岐阜県の伝統工芸品とは?工芸体験ができる施設も紹介」で詳しくご紹介していますので、あわせてご覧ください。

 

 

岐阜県の郷土料理は地理的風土や先人の知恵が詰まっている

山がちな地形の岐阜県では、大きく北部の飛騨地方、南部の美濃地方に分かれます。

さらに、山がちな地形のおかげで、それぞれ独自の料理が発展してきました。

 

同じ料理名でも、地域によって少しずつ異なるのが岐阜県の郷土料理の特徴です。

 

海なし県ならではの知恵を生かした魚料理や、寒い時期ならではの料理の工夫など、伝統料理から見えてくるものも多いですよ。

 

岐阜県には郷土料理を支える美味しい農産物がたくさんあり、その材料を使ったお土産品も多くあります。

 

岐阜県恵那市にある「恵那川上屋」では、店頭やお取り寄せで楽しめる、岐阜県の名産品である栗のお菓子や、季節の素材を使ったお菓子などを幅広くご用意しておりますので、ぜひ召し上がってみてくださいね。

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