2022.12.07
干し柿には種類がある!干し柿に向く柿の品種もチェック
こんにちは!栗きんとん・栗菓子の「恵那川上屋」です。
冬になるとつい食べたくなる「干し柿」は、お茶請けや手土産などにもぴったりで、幅広い世代に愛されています。
実は、干し柿には作り方や食感の異なる2つの種類があり、柿の品種によっても味わいや特徴が異なるのをご存じですか?
今回は、干し柿に向いている柿の特徴を紹介するとともに、干し柿の種類をご紹介します。
干し柿に使われることの多い柿の品種もお伝えしますので、干し柿を購入する際にはぜひ参考にしてみてくださいね。
干し柿とは?干し柿に向いている柿の特徴をご紹介
「干し柿」とは、その名前の通り柿を干して作るドライフルーツです。
ねっとりとした食感と濃厚な甘さが特徴で、小さなお子様からご高齢の方まで多くの人に愛されているお菓子といえるでしょう。
特に柿の収穫時期である秋から冬にかけては、干し柿作りも盛んになり、作る工程での柿のカーテンは日本の風物詩でもありますよね。
最近では干し柿にクリームチーズや栗きんとんを合わせたり、干し柿を使ったアイスクリームなど、さまざまなスイーツも登場しています。
そんな干し柿には、生では食べられない「渋柿」が使われることが多いです。
渋柿には渋みの原因となる可溶性タンニンが多く含まれていますが、乾燥させて干し柿にすると不溶性タンニンに変化し、食べても渋みを感じなくなります。
渋柿は実は甘みが強く、干すことで水分が抜けて50度前後もの糖度になり、美味しく食べられるようになるのです。
干し柿には種類がある!向いている柿の品種もご紹介
干し柿には、製法の違いで「あんぽ柿」「枯露(ころ)柿」と呼ばれる2つの種類があります。
干し柿の中でも、水分を50%以上含むものが一般的に「あんぽ柿」と呼ばれています。
皮をむいた柿を天日に干し、密閉して硫黄に火をつけ薫蒸してから風通しの良い場所に干す方法で作られます。
水分を多く含むため、実がとても柔らかく、ジューシーなのが特徴です。
一方、「枯露柿」は水分が25〜30%とあんぽ柿と比べて少ない干し柿です。
甘み成分が結晶化して白い粉が吹いてくるまで、あんぽ柿より長く干して作ります。
もっちりねっとりとした食感で、「干し柿」といえば、こちらをイメージする方が多いかもしれませんね。
干し柿に使われる渋柿の主な品種と特徴
干し柿に使われている渋柿の主な品種と、それぞれの特徴もご紹介します。
なお、下の表でも触れていますが、渋柿には「完全渋柿」と「不完全渋柿」の2つの種類があります。
完全渋柿とは、種子の有無に関係なく渋くなる柿です。
一方の不完全渋柿とは種子がある場合はその周辺のみ甘くなる柿のこと。
不完全渋柿でも全体的に渋みを感じるため、生で食べることはほとんどなく、「あんぽ柿」に加工されることが多いです。
品種名 | 柿の種類 | 特徴 |
堂上蜂屋(どうじょうはちや)柿 | 完全渋柿 | 主に岐阜県で生産されている柿で、四角く先端がやや尖っている形状をしている。
干し柿は綺麗な飴色、とろりとした食感が特徴。 |
市田(いちだ)柿 | 完全渋柿 | 長野県で干し柿用として生産されている柿。
糖度が高く、実が詰まっていて果汁が多いことが特徴。 |
愛宕(あたご)柿 | 完全渋柿 | 愛媛県を中心に四国で生産されている柿。
日持ちの良さと量産性の高さが特徴。 |
川端(かわばた)柿 | 完全渋柿 | 高知県を中心に、毎年安定して収穫できる。
果実が大きく、干し柿にするととろんとした食感になる。 |
祇園坊(ぎおんぼう)柿 | 完全渋柿 | 広島県を代表する、黄色く大きい果実の柿。
糖度は約20度と非常に高く、繊維や果汁が多いのが特徴。 |
西条(さいじょう)柿 | 完全渋柿 | 島根県を中心に中国地方で生産されている。
四角い縦長の形状で4つの溝があり、抜群に糖度が高いのが特徴。 |
平核無(ひらたねなし)柿 | 不完全渋柿 | 福島県・新潟県・山形県・山梨県・長野県などで生産されている不完全渋柿の代表的品種。
ギュッと詰まった果実とジューシーさが特徴。 |
甲州百目(こうしゅうひゃくめ)柿 | 不完全渋柿 | 福島県・宮城県・山梨県を中心に全国で生産され、釣鐘状で実が大きいことが特徴。
あんぽ柿に加工されることが多い。 |
こうしてそれぞれの特徴を見ると、お取り寄せして食べ比べてみたくなりますね。
スーパーや菓子店で販売されている干し柿でも、地域や時期によって使用されている柿の品種が異なるため、ぜひチェックしてみてください。
干し柿には種類がある!食べ比べもおすすめ
自宅で食べるのはもちろん、お茶菓子やお土産としても人気が高い「干し柿」。
老若男女問わず、毎年柿の季節になると干し柿が食べたくなる方も多いのではないでしょうか。
干し柿に使われているのは、生では食べられない「渋柿」がほとんどです。
渋柿には渋みのもととなる可溶性タンニンが多く含まれますが、乾燥によってタンニンが不溶性に変化することで渋みが感じられなくなり、水分が抜けることで糖度が高まります。
そんな干し柿には、製法や水分量の違う「あんぽ柿」と「枯露柿」の2種類があり、使われている柿の品種もさまざまです。
同じ干し柿でも地域や時期によって違う味や食感を楽しめるため、ぜひ食べ比べてみてくださいね。
最近では、干し柿を和洋折衷さまざまな方法でアレンジしたお菓子も多く登場しています。
恵那川上屋でも柿と栗を組み合わせたお取り寄せスイーツをご用意していますので、気になる方はぜひチェックしてみてください!