2023.06.28
岐阜県の大仏といえば正法寺の「岐阜大仏」!歴史や見どころをご紹介
こんにちは!岐阜県で季節の素材を使った創作菓子を販売する「恵那川上屋」です。
岐阜県に、奈良の大仏に匹敵する大きさの大仏があるのを、ご存じでしょうか?
この大きな大仏は、岐阜市にある正法寺(しょうぼうじ)にあり、参拝者にほほえみかけるような優しい表情をしています。
今回は、岐阜大仏の歴史や特徴のほか、その周辺のおすすめスポットをご紹介します。
岐阜県に訪れる際には、ぜひ参考にしてくださいね。
岐阜県指定重要文化財の「岐阜大仏」は日本三大仏の一つ
岐阜県岐阜市の正法寺大仏殿(本堂)にある「岐阜大仏」は、岐阜県の重要文化財に指定されており、日本三大仏の一つとされています。
堂の高さは23.6mあり、仏像は坐像で高さ13.63m・耳の長さ2.12m・鼻の高さ0.36m。
奈良の大仏の坐高が14.98mなので、奈良の大仏と同じくらいの大きさです。
その大きさから、岐阜大仏の圧倒的な存在感を想像できるでしょう。
また、岐阜大仏は別名「籠大仏(かごだいぶつ)」と呼ばれ、籠大仏としては日本最大の大きさです。
建立までの歴史や籠大仏と呼ばれる由来についても見ていきましょう。
岐阜大仏の建立には38年もの歳月がかかった
岐阜大仏は、正法寺の和尚が二代にわたり、38年の歳月をかけて完成させました。
江戸幕府の寛政時代の頃に、第11代目の惟中(いちゅう)和尚が相次ぐ地震や飢饉で亡くなった人々の霊を慰め、民衆を救おうと大仏の建立を発願したのが始まりです。
しかし費用がなかなか集まらず、遠くは信越地方まで托鉢して歩いたといわれています。
残念ながら惟中和尚は岐阜大仏の完成を見届けることなく、志半ばで亡くなりましたが、その志は12代目肯宗和尚に受け継がれました。
そして大仏は造り始めてから38年の時を経て、天保3(1832)年にようやく完成に至ったのです。
岐阜大仏の別名「籠大仏」の由来は製法からついた名前
「籠大仏」は、竹を籠のように編んだ製法だったためにつけられた呼び名です。
岐阜大仏は周囲1.8mの銀杏の木を真柱とし、骨格は木材で組まれています。
さらに竹で仏像の外形を造り、その上を粘土で固め、惟中和尚が各地で集めた一切経の経典が書かれた美濃和紙を貼っています。
使用された経典は、4万巻にものぼるそうです。
そして仕上げに漆を塗り、金箔を重ねることで、岐阜大仏は造られました。
胎内には、「薬師如来坐像(やくしにょらいざぞう)」が安置されています。
漆を施している岐阜大仏は「乾漆像(かんしつぞう)」でもあるのですが、乾漆像の中でも日本一の大きさを誇っています。
【岐阜大仏(正法寺 大仏殿)の基本情報】
住所:岐阜県岐阜市大仏町8番
拝観時間:9:00~17:00
アクセス:JR岐阜駅または名鉄岐阜駅からN系統(長良橋方面)及び市内ループ左回りバスで「岐阜公園歴史博物館前」下車後、徒歩3分
※施設の情報は変更の可能性もあるため、最新情報はホームページをご覧ください
正法寺の重要文化財は岐阜大仏以外にも!見どころをご紹介
正法寺では岐阜大仏の胎内に安置されている「薬師如来坐像」と、正法寺大仏殿内にある「木造阿弥陀如来坐像(もくぞうあみだにょらいざぞう)」も岐阜県の重要文化財に指定されており、「正法寺大仏殿」も岐阜市の重要文化財に指定されています。
「薬師如来坐像」は非公開になっていますが、「木造阿弥陀如来坐像」は見学可能です。
それでは、「正法寺大仏殿」と「木造阿弥陀如来坐像」の見どころについてもご紹介します。
岐阜市重要文化財の「正法寺大仏殿」
正法寺は岐阜大仏のある大仏殿が本堂であり、境内には正法寺内最古の地蔵菩薩がある地蔵堂、鳥居のある運授殿、三尺坊堂、弥陀堂などもあります。
正法寺は黄檗宗(おうばくしゅう)の寺院で、大仏殿は中国の明朝様式と和洋が融合した造りとなっており、釣鐘の形をした窓が特徴的です。
大仏殿は、岐阜大仏を風雨から守る覆屋が必要だったため、大仏を造る段階から共に造営を進められていたといわれています。
木造三層になっており、13mを超える岐阜大仏を収めるために、中心部に大きな空間が設けられています。
大仏殿には、通常は使用できませんが、大仏の周りを巡れる「回廊」があるのも特徴です。
岐阜大仏の両側には天和年代に造られたとされる五百羅漢像が並び、壁には涅槃図(ねはんず:釈迦が沙羅双樹(さらそうじゅ)の下で入滅する情景を描いた図)も装飾されています。
数多くの五百羅漢像がずらっと並ぶ様子は、まさに圧巻です。
岐阜県重要文化財の「木造阿弥陀如来坐像」
岐阜県の重要文化財に指定されている、木造阿弥陀如来坐像。
この木造阿弥陀如来坐像は、岐阜大仏の前面に座っている仏像で、像高55cmです。
平安時代後期の制作といわれており、桧の「一木造(いちぼくづくり)」になっています。
底部は深くくりぬいてあり、空洞です。
その姿は上品上生印(じょうぼんじょうしょういん)を結び、胡坐に似た座り方・結跏趺坐(けっかふざ)で二重の蓮華座(れんげざ)に鎮座しています。
「一木造」とは一つの木材から像を彫り出す方法で、その技法を見るだけでも価値があります。
やや面長で穏やかな表情も、見ているだけで癒されることでしょう。
正法寺「岐阜大仏」周辺の観光スポットもご紹介
正法寺周辺には、岐阜県ならではの観光地も多くあります。
おすすめのスポットをご紹介しますので、ぜひ足を運んでみてください。
梅林公園
岐阜市で梅の名所として知られている「梅林公園」。
ここには1,300本、50種類もの梅が植えられています。
早咲きの梅が毎年1月中旬から咲き始め、見頃は2月〜3月上旬頃。
毎年3月上旬には梅まつりが開催され、梅にまつわるさまざまなイベントが開催されます。
園内には蒸気機関車D51(通称デゴイチ)の展示や、子どもが遊びやすい芝生の公園があります。
岐阜の梅については「岐阜県の梅の名所と「ぎふ梅まつり」をご紹介!」でもご紹介していますので、ぜひご覧ください。
<梅林公園>
住所:岐阜県岐阜市梅林町
アクセス:JR岐阜駅から14、15番乗り場のバスに乗車し、梅林公園前で下車後徒歩約3分/名鉄岐阜駅から6乗り場行き先番号B32~B87のバスに乗車し、梅林公園前で下車後徒歩約3分
長良川
正法寺からほど近い場所にある、清流「長良川」。
名水100選に選定されており、眺めるだけでも価値がある美しさですが、川遊びも楽しめる場所でもあります。
長良橋から上流へ1.3kmの川沿いの道を「長良川プロムナード」と呼んでおり、のんびり散策するのもおすすめです。
このプロムナードの場所では、毎年行われる伝統の行事「ぎふ長良川の鵜飼(うかい)」も見ることができます。
長良川の鵜飼は、戦国のロマンを今も感じさせる金華山と、山頂にそびえる岐阜城を背景に行われています。
鵜飼とは、鵜を巧みに操って魚を獲る漁法のこと。
闇に包まれた川で伝統装束に身を包んだ鵜匠が鵜飼を行い、鮎が篝火の明るさに驚いてキラリと光をはねかえしながら逃げる光景は、幻想的で一見の価値があるでしょう。
期間・開催時間が限られているので、事前にホームページをチェックをしてくださいね。
残念ながら日時が合わない方は、ぜひ「長良川うかいミュージアム」にも足を運んでみてください。
鵜飼の映像や実際に使用している物の展示・イベントなどがあり、鵜飼についての知識が深まります。
岐阜県長良川周辺の観光のおすすめは?魅力や見どころを紹介!でも長良川の紹介をしているので、場所や見どころを共にチェックしてみてくださいね!
川原町の古いまちなみ
長良川南詰の鵜飼遊覧船乗り場から西へ続く「湊町・玉井町・元浜町」は、通称「川原町」と呼ばれる「古いまちなみ」。
格子戸のある町家、蔵の高い黒壁に挟まれた狭い路地、電柱・電線がなく、ノスタルジックな雰囲気です。
川原町は昔、長良川の水運を利用した川港として栄え、にぎわってきました。
現在も日本家屋や蔵を改装し、伝統工芸品の「岐阜うちわ」や「和傘」のお店、岐阜の鮎を使った郷土料理が食べられるお店などが、情緒あふれる雰囲気の中で営業しています。
歩くだけでも楽しいですし、お土産を探したり、おいしいグルメを食べたりと、たっぷり満喫できるでしょう。
岐阜県には長良川の鮎を使った郷土料理のほか、たくさんの郷土料理があります。
「川原町の古いまちなみ」を訪れる際は「岐阜県の郷土料理とは?種類や特徴をご紹介」もぜひ参考にしてくださいね。
〈川原町の古いまちなみ〉
住所:岐阜県岐阜市湊町・玉井町・元浜町界隈
アクセス:JR岐阜駅または名鉄岐阜駅からN系統(長良橋方面)及び市内ループ左回りバスで「岐阜公園・歴史博物館前」下車後、徒歩5分
金華山
岐阜市を代表する観光名所「金華山」では、山頂まで約3分で到着するぎふ金華山ロープウェーもあり、四季折々の美しい風景を楽しめます。
山頂では自然を満喫できるほか、リスとのふれあい体験ができるぎふ金華山リス村や展望レストラン、織田信長が本拠地とした岐阜城天守閣もあり、岐阜県に来たらぜひ訪れてほしいスポットです。
岐阜城には絶景を味わえる展望台や、戦国時代に使われていた鎧兜や武具が展示された資料展示室があります。
岐阜城の歴史について、ホームページもチェックしてみてくださいね!
〈金華山〉
住所:岐阜県岐阜市槻谷
アクセス:車で岐阜各務原ICから約20分/JR岐阜駅また名鉄岐阜駅から、岐阜バスN系統(長良橋方面)及び「市内ループ線左回り」で「岐阜公園歴史博物館前」下車後、徒歩約5分で「ぎふ金華山ロープウェー」乗り場へ
岐阜県美術館
正法寺からは少し離れますが、同じ岐阜市にある「岐阜県美術館」。
1982年に開館した岐阜県美術館は「美とふれあい、美と会話し、美を楽しむ」をテーマとしており、近・現代の絵画・彫刻・工芸など、日本美術から海外の作品まで幅広い美術品を所有しています。
岐阜県ゆかりの作家を中心に展示し、19世紀末フランス象徴主義の画家、オディロン・ルドンの作品が多いのも特徴です。
展覧会のほか、アートツアーやワークショップなど、定期的にさまざまな趣向を凝らしたイベントも行っています。
キッズコーナーやカフェコーナーもあり、子どもから大人までゆったりと楽しみながら過ごせる美術館です。
もっとたくさんの美術を楽しみたい場合は、岐阜市から少し離れますが、美術館の多くある恵那市までも足を運んでみてくださいね。
「岐阜県・恵那市周辺の美術館をご紹介!見どころやおすすめは?」でもご紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
<岐阜県美術館>
住所:岐阜県岐阜市宇佐4-1-22
アクセス:JR「西岐阜駅」から徒歩15分/JR・名鉄「岐阜駅」からタクシーまたは岐阜バス「県美術館」下車
また、岐阜大仏がある正法寺から車で1時間以内で行けるスポットについても、過去のコラムでご紹介していますので、チェックしてみてくださいね!
岐阜のマチュピチュ「天空の茶畑」とは?その魅力や楽しみ方をご紹介
※各観光名所・観光施設の情報は変更の可能性もあるため、最新情報はホームページをご覧ください
岐阜大仏は別名「籠大仏」!重要文化財の大仏殿とともに楽しんで
岐阜県の重要文化財に指定されている、正法寺の大仏殿にある「岐阜大仏」。
38年の歳月をかけて完成した岐阜大仏は、奈良の大仏に匹敵するほどの大きさで、日本三大仏の一つとされています。
岐阜大仏だけでなく、正法寺の大仏殿自体や木造阿弥陀如来坐像も重要文化財に指定されており、見応えがあります。
周辺にも見どころがたくさんあり、一日では巡りきれないほどです。
時間をたっぷりとって、お出かけしてくださいね。
岐阜駅近くには、岐阜県名産の栗を使ったお菓子や素材にこだわった季節の創作菓子を販売する恵那川上屋高島屋店がございます。
岐阜県名産のお土産選びに、ぜひお越しください。