2022.02.03

「のし(熨斗)紙」「水引」の種類やシーン別のルールを知ろう!

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こんにちは!栗きんとん・栗菓子の「恵那川上屋」です。

 

何かの節目に贈るギフトやお返しの際に、日本では欠かせないのが「のし(熨斗)紙」。

贈答品に掛ける「のし紙」は、誰からどんな意味合いで渡すのかが一目でわかるアイテムです。

 

「のし紙」にはさまざまなルールがあるものの、細かくはわからない!という人も多いでしょう。

ルールを知らずに目的と異なるのし紙をつけてしまうと、失礼にあたり相手に不快な思いをさせてしまう恐れもあります。

 

また、「のし紙」に印刷される「水引」は、ルールがあると聞いたことがあっても、説明できないケースが多いのではないでしょうか。

 

今回は贈答品に掛ける『のし紙』と『水引』について、シーン別のルールや注意点を詳しくご紹介します。

熨斗のついた箱

 

 

「のし」「水引」「のし紙」とは?

まず「のし」とは何なのでしょうか。

 

一般的にはのし紙全体が「のし」と思われがちですが、本来は祝儀袋やのし紙などの右上にある飾りのことを指していました。

飾りの中に入っている長細い黄色いものはアワビで、長寿や繁栄をもたらす縁起物とされていることから“祝福の気持ちを込めた贈り物である”というしるしだったようです。

このアワビを「のしあわび」と呼び、省略されて「のし」と呼ばれるようになったようです。

漢字では「熨斗」と書きます。

 

現在ではフォーマルな贈り物の際に「誰から」「どんな意味合い(慶弔の内容)」で渡される贈り物なのかを示す包み紙全体を「のし紙」と表現することが多くなっています。

 

「のし紙」の構成は4つで、右上に「のし(熨斗)」、中心に「水引」、上段に「表書き」、下段に「名入れ」となります。

のし紙はデザインとして、「のし」と「水引」があらかじめ印刷されることがほとんどです。

 

なお、弔事の場合は縁起物を示す「のし」は付いていないので、本来は「のし紙」ではなく「掛け紙」と言うべきなのですが、現代では総称で「のし紙」と呼ばれています。

 

「水引」とは、「のし紙」の中心に飾り付けられるひも状の飾りで、結び方によって慶弔の内容が定められています。

「水引」はその贈り物が未開封であるという「封印」の意味や、「魔除け」「人と人を結び付ける」意味もあると考えられています。

 

「のし紙」の上段の「表書き」には慶弔の内容(どんなお祝いやお悔やみに関する贈り物なのか)を書き、下段の「名入れ」には送り主の名前を記載します。

 

 

水引の種類は?選ぶ時のルールは?

慶事に使われる水引の中には単純な結び目だけでなく、鶴や亀など独特な形状の水引が増えてきています。

 

たくさんの種類から水引を選ぶ際に、1つだけ守りたいルールがあります。

慶弔の内容によって「水引の形状を選ぶ」ということです。

 

水引を選ぶ際には「一度きりであるべきこと」か「何度もあってほしいもの」かを考えて選びます。

慶事・弔事で区別するわけではありません。

例えば、お祝いごとであっても何度もお祝いしない方がよいとされている結婚祝いや、人が亡くなることはもちろん何度もないほうがよい弔事の水引は、基本的に同じ形状になっています。

 

水引には「結び切り」「蝶結び(花結び)」の2種類があるので、シーンに合った水引の形状を選びましょう。

 

結び切り

水引の形 結びきり

 

「一度きりであるべきこと」の場合に使うのが「結び切り」です。

結婚祝いやお見舞い、人が亡くなるなど、何度もない方がよいことに対して使います。

 

この水引は堅く結ばれた形状で、水引の片側を引っ張っても簡単にほどけないものとなっていることから「結び切り」と呼ばれます。

 

蝶結び(花結び)

水引の形 蝶結び

「何度もあってほしいもの」の場合に使うのが「蝶結び(花結び)」です。

出産祝いや周年祝いなどは、人生に何度あってもよいことですね。

 

結び目を何度でも結び直せる、ちょうちょ結びのような形状の水引です。

「何度もあってほしいこと」の時に使うため、婚礼やお見舞い、弔事などで使用することはNGです。

 

形状の種類だけでなく、水引の色や本数もさまざまなバリエーションがあり、シーンによって推奨が異なります。

こちらについても見ていきましょう。

 

水引の色

水引の色は、慶事か弔事かで選ぶものが変わります。

  • 慶事:紅白・赤銀・赤金
  • 弔事:白黒・黄白・青白・銀

 

右側に濃い色、左側に薄い色となるように結びます。

 

水引の本数

水引の本数も、慶事か弔事かで選ぶものが変わります。

  • 慶事:5本・7本・9本(奇数の本数)
  • 弔事:2本・4本・6本(偶数の本数)

 

結婚祝いの時は、新郎新婦が手と手を取り合い慶びが重なるように、5本を2束にした10本の水引が用いられることもあります。

 

 

「のし紙」の表書き・「水引」の選び方・包み方のルールも知ろう!

感謝の贈り物

のしや水引に意味や種類があることがわかっても、それぞれどんな時に使ったらよいか迷う方もまだ多いのではないでしょうか?

シーンごとにふさわしい表書きを選んだり、水引の種類や色を間違わないようにしたいですよね。

 

ここでは一般的なお祝いや慶弔ごとに、表書き、水引の種類について触れていきます。

 

節目のお祝いごと

お祝いの種類 表書き 水引の種類・色
御祝ごと一般 御祝 蝶結び(紅白)
御祝お返し一般 内祝、粗品 蝶結び(紅白)
結婚 御結婚御祝、御婚礼御祝、寿 結び切り(金銀、紅白)
結婚お返し 内祝、寿 結び切り(紅白)
出産 御出産御祝、祝御出産 蝶結び(紅白)
出産お返し 内祝(赤ちゃんの名前を名入れ) 蝶結び(紅白)
初節句 祝御初節句、初節句御祝 蝶結び(紅白)
七五三 七五三御祝、賀御髪置(3歳)、賀御袴着(5歳)、賀御帯解(7歳) 蝶結び(紅白)
長寿 福寿、祝還暦(60歳)・祝古希(70歳)・祝喜寿(77歳)など、節目の年を記載することも 蝶結び(紅白、金銀)
卒業 御卒業御祝、祝御卒業 蝶結び(紅白)
入学・入園 御入学(園)御祝、祝御入学(園) 蝶結び(紅白)
栄転 御栄転御祝、祝御栄転 蝶結び(紅白)
新築 御新築御祝、祝御新築 蝶結び(紅白)
開店 御開店御祝、祝御開店、祈御発展 蝶結び(紅白)
快気 御本復御祝、祝御全快 結び切り(紅白)
お見舞い 御見舞、お見舞い、祈御全快 結び切り(紅白)
快気お返し 快気祝、快気内祝 結び切り(紅白)

 

快気祝いはお祝いではあるものの、そもそも病気にかかること自体がよくないことなので、結び切りを使用します。

 

一般的な慶弔ごと

慶弔の種類 表書き 水引の種類・色
年始 御年賀、御年始、迎春、賀正 蝶結び(紅白)
中元 御中元 蝶結び(紅白)
歳暮 御歳暮 蝶結び(紅白)
暑中見舞い 暑中御伺(目上の人へ)、暑中御見舞 蝶結び(紅白)
寒中見舞い 寒中御伺(目上の人へ)、寒中御見舞 蝶結び(紅白)
病気見舞い 御伺(目上の人へ)、御見舞 結び切り(紅白)、水引なし
災害見舞い ○○御伺(目上の人へ)、○○御見舞 水引なし
お礼・心付け 御礼、謝礼、松の葉、寸志(目下の人へ)、まつのは(目下の人へ) 蝶結び(紅白)、水引なし
餞別(転居・退職など) 御礼(目上の人へ)、御餞別(目下か同輩へ) 蝶結び(紅白)
引っ越しの挨拶 御挨拶 水引なし

 

慶弔ごとの内容によっては水引のないものを選択することがあります。

 

弔事

弔事の種類 表書き 水引の種類
仏式 御霊前、御香料、御香典 結び切り(白黒・黄白)
仏式(浄土真宗) 御仏前、御香料 結び切り(白黒・黄白)
神式 御霊前、御香料、御玉串料 結び切り(白黒・黄白)
キリスト教式 御霊前、御香料、御花料 結び切り(白黒・黄白)
仏式・四十九日以降の法要 御仏前、御香料 結び切り(白黒・黄白)
仏式・香典返し 結び切り(白黒・黄白)

 

弔事は故人もしくはその家族の宗派によって表書きが異なります。

もしどうしても宗派がわからない場合は、その旨を伝えて「御香料」とするのがよいでしょう。

 

「内のし」と「外のし」

贈答品を贈る場合、直接贈答品にのしを付けた後に包装紙を掛ける「内のし」と包装紙を掛けた後にのしを付ける「外のし」があります。

 

「内のし」は、のし紙が包装紙で隠れます。

お渡しする時に表書き(贈答の目的)が見えないことから「内祝い」の時に用いられることが多いです。

「内祝い」は今は返礼品と捉えられていますが、もともとは「自分に祝いごとがあったのでお裾分けします」という意味が含まれています。

こういった理由から、控えめな「内のし」が「内祝い」におすすめです。

 

また、宅急便で贈答品を送る際も、配送途中で傷がつかないように「内のし」がよいと言われています。

 

「外のし」は、表書きがはっきりと見えます。

受け取った側がどんな目的で贈ってくれたのかがわかるため、結婚・出産祝いなどは「外のし」がよいと言われています。

 

詳しくは「「外のし」と「内のし」の違いは何?意味や活用方法を知ろう」でも紹介しています!

 

 

豆知識:お金を包む「のし袋」の種類とマナー

お菓子などの贈答品に掛けるのし紙や水引とは別に、お祝いごとの際などに現金を入れる「のし袋」があります。

結婚祝いの場合は「ご祝儀袋」とも言います。

 

のし袋にもたくさんの種類があり、包み方にもルールがあるため、時と場合によって適切なのし袋を使い分けましょう。

 

「のし袋」の種類

のし袋には水引が印刷されたものと、水引が別に用意されているものがあります。

「贈り物の金額や渡される人との関係性」によって使い分けるとよいでしょう。

のし袋の素材の質や雰囲気によっても格があります。

 

たとえば、水引が印刷されたお祝いごと用のし袋には、数千円~1万円前後を入れ、比較的何度あってもよいお祝い(周年祝いや職場の同僚で集めた出産祝いなど)に使用します。

かしこまったお祝いには水引が印刷されたものではなく、実際にひも状の飾りがあるものを使用します。

 

上司や目上の人には失礼に当たらないように、フォーマルな和紙ののし袋がよいでしょう。

ただし急な弔事に関しては本来準備することが好ましくないので、上司の家族や取引先のご家族などであっても印刷されたものを使用するケースはあります。

 

封筒の包み方

簡易的なのし袋ではなく、かしこまったのし袋の場合、いったん水切を外し、内袋にお金を入れて封筒を包みなおす必要があります。

封筒を包みなおす際、慶事ごとは下側の折り返しが上、弔事ごとは上側の折り返しが上になるように包みます。

 

慶事は「幸せがこぼれないように」、弔事は「頭を下げて謹んでお悔やみ申し上げる」と覚えればよいですね。

 

 

のし紙や水引の種類やルールを知れば、より送り主の気持ちが伝わる!

のし紙や水引の作法は、日本で伝統とされている形式的な部分もあります。

しかし、マナーに詳しい人が贈り物を受け取ったとき、知らず知らずのうちにマナー違反になっている贈り物では、先方が失礼に感じてしまうおそれがあります。

 

もちろん、どんな贈り物であっても、贈られる人の気持ちに寄り添って選ぶことが一番ですが、マナーに沿うだけでより正確に気持ちが伝えられるなら嬉しいですよね♪

 

それぞれのシーンに沿ったルールを押さえて、相手に気持ちを伝えましょう!

 

贈り物にも喜ばれる恵那川上屋の栗菓子はお取り寄せも可能です。

必要に応じてのし、手提げ袋、メッセージカードもお選びいただけますので、ぜひご活用ください!

 

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