2021.03.10
上生菓子とは?生菓子との違いや上生菓子の種類、歴史も解説!
こんにちは!栗きんとん・栗菓子の「恵那川上屋」です。
和菓子にはさまざまな種類がありますが、その一つである「上生菓子(じょうなまがし)」はどんなお菓子かご存知でしょうか?
上生菓子と似た言葉で「生菓子」もありますが、実はそれぞれ意味が異なります。
今回は、上生菓子についてのお話です。
上生菓子についての基本や種類、歴史の話まで詳しくご紹介します!
上生菓子とは?生菓子との違い
和菓子は水分量の違いによって、3つの種類に分けられます。
一般的には水分量30%以上のものが「生菓子」、水分量10%〜30%のものが「半生菓子」、水分量10%以下のものが「干菓子」とされています。
上生菓子は生菓子の一種で、特に上等な生菓子のことを「上生菓子」と呼びます。
上生菓子は和菓子職人が熟練の技術を駆使して一つひとつ手で作り上げ、季節を感じる趣を取り入れるという特徴があります。
また、上生菓子には「菓名(かめい)」という名前が付けられるという特徴も。
「菓名」とは季節や名所、古典などからその菓子をイメージした名前のことで、最中や羊羹といった和菓子の名称の他に付けられる名前です。
例えば紅葉をイメージした上生菓子には紅葉の名所・竜田川から付けられた「竜田」、柿の形をした練り切りには俳句から付けられた「初ちぎり」というように、上生菓子によってさまざまな菓名が付けられています。
菓名から四季や情景に思いを馳せて味わうというのも、上生菓子の楽しみの一つといえるでしょう。
上生菓子の歴史も詳しくご紹介
上生菓子の起源は奈良時代。
当時、木の実や果物など甘みを感じる間食を「果子」と呼び、木の実を砕いて粉にし、団子状に丸めて熱を加えるなどしたことで「団子」が生まれました。
その後、遣唐使によって米や小豆などをこねたり油で揚げたりした「唐菓子」がもたらされました。
鎌倉時代には、中国で発展を遂げた禅宗の影響で羊羹や饅頭といった点心、室町時代から安土・桃山時代にはポルトガルから伝来した「カステラ」や「コンペイトウ」などが楽しまれるように。
日本のお菓子の歴史は、世界各国との繋がりが深く影響していました。
そして、鎖国となった江戸時代には海外の影響を受けることがなくなり、急速に和菓子を作る技術が発展しました。
なかでも職人の「上生菓子」を作る技術が向上し、江戸や京都などの繁華街や街道町を中心に、庶民にも浸透して広まっていったそうです。
上生菓子の種類はさまざま!種類ごとの魅力
歴史ある上生菓子は、さまざまな種類があります。
詳しく見ていきましょう。
練り切り
白あんをベースに、山芋や砂糖を加えて練り上げた和菓子で、練りながら作ることから「練り切り」と呼ばれるようになりました。
練り切り生地に色をつけて細工することで、色合いの美しい四季折々の形に仕上がります。
薯蕷饅頭
「薯蕷饅頭(じょうよまんじゅう)」は、すりおろした山芋と米粉や上用粉をあわせて生地を作り、餡を入れて蒸しあげたしっとりとした食感を楽しめるお菓子です。
昔はお殿様に献上する和菓子として用いられていたことから、「上用饅頭」と呼ばれていました。
求肥
「求肥」は、白玉粉に水あめや砂糖を加えて練った和菓子です。
まるで餅のようなもっちりとした柔らかな食感を楽しめますが、餅と違って時間が経っても硬くなりません。
こなし
「こなし」は、上用粉や小麦粉に白あんを混ぜて蒸したお菓子です。
練り切りとよく似ていますが、練り切りよりもさっぱりとした味わいで、柔らかな食感が特徴です。
弾力がないため加工が難しく、「思いのまま扱う」「揉みこなす」といった意味から「こなし」と呼ばれるようになったそうです。
上生菓子と生菓子、それぞれの違いを知ればもっと美味しく!
和菓子は種類によって水分量に差があり、一般的には生菓子は水分量30%以上のもの、半生菓子は水分量10%〜30%のもの、干菓子は水分量10%以下のもの、という違いがあります。
上生菓子は生菓子の一種で、特に上等な生菓子のことを上生菓子と呼びます。
上生菓子は江戸時代に鎖国によって急速に和菓子を作る技術が発展し、江戸や京都などの繁華街や街道町を中心に、庶民にも浸透して広まっていきました。
上生菓子には練り切り、薯蕷饅頭、求肥、こなしなどさまざまな種類があり、上品な味わいと美しい見た目を楽しめるので、贈り物などにもおすすめです。
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