2023.10.05

美濃焼とは?その特徴や種類、魅力を感じられる場所もご紹介

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こんにちは!岐阜県で季節の素材を使った創作菓子を販売する「恵那川上屋」です。

 

恵那川上屋が店舗を構える岐阜県には、名産品が多く存在します。

 

野菜やフルーツ、お菓子に提灯、和傘など、その種類はさまざま。

「美濃焼(みのやき)」もその一つです。

 

美濃焼は、全国的にその名を知られる陶磁器。

その特徴や魅力はどのようなものなのか、ぜひ知っていただきたいです。

 

今回は岐阜の名産品である美濃焼について詳しく解説します。

美濃焼

 

 

岐阜県で有名な美濃焼とは?

美濃焼は、岐阜県の東濃地域にあたる多治見市・土岐市・瑞浪市を中心に生産されてきた陶磁器です。

 

岐阜県がかつて美濃国と呼ばれていたことから、「美濃焼」と呼ばれています。

 

美濃焼は後ほど歴史もご紹介しますが、長い年月をかけて時代とともに進化を遂げてきました。

 

現代では日本を代表する陶磁器の一つとして全国で知られており、多くの品目が経済産業大臣から伝統工芸品の指定を受けています。

 

この伝統工芸品は、伝統的に使用されてきた原材料で伝統的技術・技法によって製造されるものであり、製造過程の主要部分が手工業的で、一定地域で産地を形成していて主に日常生活の用に供されていることが条件です。

 

伝統工芸品については「岐阜県の伝統工芸品とは?工芸体験ができる施設も紹介」も読んでみてくださいね。

 

美濃焼の魅力

美濃焼の魅力は、「特徴がない」ことにあるといわれています。

 

古くから新たな釉薬や技術の開発に励んできた美濃焼には、多くの技法があります。

 

そのため、美濃焼には固定された見た目や質感がなく、作品によってデザインは大きく異なります。

このことから、「特徴がない」といわれるようになったようです。

 

とはいえ、時代のニーズを反映させるのは美濃焼の得意分野。

 

明治時代以降には、できるだけ安価なものを大量生産できる技術も模索してきました。

これにより、陶磁器における美濃焼のシェアは50%を超え、現在では日本一の陶磁器の産地として広く知られるようになっています。

 

さらに、食卓に馴染みやすいことも美濃焼の魅力です。

これも、国内シェア率が高い理由のひとつでしょう。

 

皆さんが何気なく使っている毎日の食器も、実は美濃焼かもしれませんよ。

 

美濃焼の歴史

美濃焼の起源は、およそ1300年前の古墳時代後期〜奈良時代です。

当時は、山の斜面を利用した窯で「須恵器(すえき)」を焼いていたといわれています。

 

室町時代後期に山頂付近に大窯(おおがま)ができ、灰釉(はいゆう)・鉄釉(てつゆう)の焼きものが作られていましたが、平安時代には焼き流れしない釉薬(ゆうやく)をかけた技法が誕生し、その後の時代も庶民の器として進化していきました。

 

茶の湯が流行した安土桃山時代には、現在の主要な様式でもある「黄瀬戸(きせと)」や「瀬戸黒(せとぐろ)」、「志野」が誕生し、茶道具として人気に。

 

江戸時代には斬新なデザインの「織部」が登場し、日常生活に使われる食器も大量に生産されるようになりました。

 

さらに、明治時代以降は産業革命の影響を受け、同じ絵付けの製品の大量生産を開始。

この頃に海外でも高く評価され、輸出も増加していきました。

 

現代では陶磁器の全国生産の50%以上が美濃焼というほど、大きな国内シェアを誇るようになり、多くの家庭の食卓で利用されています。

 

 

美濃焼の種類についてもチェック!

美濃焼

美濃焼にはかなり多くの種類(品目)があり、その中でも以下の15種については、経済産業大臣により伝統工芸品の指定を受けています。

 

【美濃焼の伝統工芸品指定品目】

黄瀬戸・瀬戸黒・志野・織部・灰釉・染付・天目・赤絵・青磁・鉄釉・粉引・飴釉・御深井・美濃伊賀・美濃唐津

 

これらの品目の中で、美濃焼の代表的な様式として知られているのが、「黄瀬戸」「瀬戸黒」「志野」「織部」の4つです。

 

ここからは、この4つの様式の特徴についてご紹介します。

 

黄瀬戸

黄瀬戸は、室町時代の末期から安土桃山時代に誕生した美濃焼の様式のひとつです。

くすみがかった淡い黄色が特徴的なこの器は、ベースの器形に焼くと黄褐色に発色する灰釉をかけて作成されています。

 

器の厚みに違いがあるのが、黄瀬戸の特徴。

薄く仕上げた器に、線や胆礬(硫酸銅で発色した緑色の斑点)、焦げによる模様が付けられる「あやめ手」や、模様はほとんどなくしっかりとした厚みのある「ぐいのみ手」が有名です。

 

また、器表面の質感によっても黄瀬戸の呼び名は変わります。

特に凹凸のある柚子肌のものは「油揚げ肌」と呼ばれ、向付(むこうづけ)の器や鉢によく使われます。

 

 

瀬戸黒

瀬戸黒は、味わい深い黒色が特徴的な美濃焼です。

この黒色は、器形に鉄釉をかけて焼成し、釉薬が溶けていく最中に窯から引き出して急冷させる技法(引き出し黒)により生まれています。

 

瀬戸黒には模様がほとんどなく、作られるのは基本的に底の平たい茶碗だけ。

これは主に茶道具として利用され、茶人たちにも人気を博したと言われています。

 

また、瀬戸黒には、次のように作成時代と特徴によって呼び方が異なるものもあります。

  • 瀬戸黒茶碗(天正時代)・・・大窯で焼成された黒一色の切立形の茶碗
  • 織部黒茶碗(慶長時代)・・・大釜で焼成された黒一色の楕円形の茶碗
  • 黒織部茶碗・・・登窯で焼成された、左右の釉薬の塗り分けや余白の鉄絵が特徴的な楕円形の茶碗

 

同じ鉄釉による黒色でも、作品によって趣が大きく異なるのは、瀬戸黒の魅力です。

 

志野

志野は、白い肌と繊細なひび模様「貫入(かんにゅう)」が特徴的な美濃焼の様式。

黄瀬戸・瀬戸黒に次いで、16世紀末に誕生しました。

 

素朴で優しい雰囲気を持つ志野は、もぐさ土と呼ばれる土で作った器形に、長石釉(ちょうせきゆう)という釉薬を厚くかけ、焼成されて作られます。

 

また、志野と一言にいっても技法はさまざまです。

例えば、次のような種類があります。

  • 灰志野
  • 無地志野
  • 絵志野
  • 鼠志野
  • 紅志野
  • 練込志野

 

中には乳白色の肌に赤褐色の火色が出るものや、灰色の肌に白い模様を浮き出させたものも。

ただの白色の器ではない味わい深さは、志野の魅力でしょう。

 

志野は日本人が長年憧れてきた「白い焼き物」であり、彫りや型押しという形でなく、素地の上に直接絵を描いて模様を出せるという点も、画期的であったようです。

 

織部

織部は、深く美しい緑色と個性豊かな模様、造形が特徴的な美濃焼の様式です。

 

歪みを魅力とし、幾何学模様や市松模様を用いた斬新なスタイルで、多くの茶人を魅了しました。

 

その誕生は、武人で茶人である古田織部が自身の好みで器を作らせたことによるといわれています。

 

織部にも、技法によって次のような種類があります。

  • 織部黒
  • 黒織部
  • 総織部
  • 鳴海織部
  • 志野織部
  • 弥七田織部
  • 青織部
  • 赤織部
  • 唐津織部 など

 

織部は緑色のものが代表的ですが、中には黒や青、赤など異なる色のものも。

形も含め、バラエティ豊かな点も、織部の楽しさです。

 

 

美濃焼の魅力を知るなら「多治見市美濃焼ミュージアム」へ

岐阜県には、美濃焼をテーマにした美術館があります。

それが、「多治見市美濃焼ミュージアム」です。

 

美濃焼の名産地である多治見市に位置するミュージアムでは、美濃焼の歴史を知ることができ、貴重な美濃焼の器の数々を鑑賞・購入することもできます。

 

美濃焼の展示

ミュージアムのメインは、美濃焼の展示です。

 

約1300年前の須恵器はもちろん、人間国宝の作品が多数展示されていて、豊蔵に師事していた加藤孝造氏から受贈いただいた多くの荒川豊蔵作品も展示しています。

 

時期ごとに多種多様な企画展も行なっており、何度訪れても新たな発見ができるミュージアムです。

 

なかなか現地に行けないという方は、デジタルミュージアムの利用もおすすめです!

 

美濃焼の体験

ミュージアムでは、美濃焼の作成を体験することも可能です。

完成品は後日郵送してもらうことができます。

 

また、人間国宝の作った美濃焼の器でお茶を楽しめるプログラムも!

多治見市のお菓子とともに、有意義な時間を楽しめます。

 

美濃焼のショッピング

ミュージアムショップでは、多くの美濃焼が販売されています。

人気作家による美しい美濃焼は、自身やご家族、ご友人へのお土産にもぴったりです。

美濃焼関連の書籍も充実しています。

 

多治見市美濃焼ミュージアムの基本情報

 
〈多治見市美濃焼ミュージアム〉

所在地:岐阜県多治見市東町1-9-27

アクセス:車で東海環状自動車道「土岐南多治見IC」より約10分/多治見駅前よりききょうバス(おりべルート)「美濃焼ミュージアム前」下車、または多治見駅前より東鉄バス「東町」下車後徒歩8分

 

また、岐阜県には、美濃焼以外にも伝統工芸品が多数存在します。

 

他の工芸品や工芸体験ができる施設については「岐阜県の伝統工芸品とは?工芸体験ができる施設も紹介」でご紹介しています。

 

 

美濃焼とは岐阜県名産の陶磁器!ミュージアムもぜひ訪問を

美濃焼は、岐阜県東濃地方で作られてきた陶磁器の呼び名です。

その起源はおよそ1300年前。

そこから現在に至るまで、さまざまな技法の変化を経ながら、進化を遂げてきました。

 

美濃焼は「特徴がない」デザインが魅力で、どんな料理も引き立ててくれます。

表現の幅が非常に多く、「この焼物」と特徴を示すことができないことから、このようにいわれています。

 

また、美濃焼には多くの様式の種類がありますが、その中でも代表的なのが「黄瀬戸」「瀬戸黒」「志野」「織部」の4つ。

それぞれ異なる魅力を持ち、食器はもちろん、茶道具としても親しまれてきました。

 

美濃焼はとても奥が深い陶磁器です。

その魅力を知るなら、岐阜県多治見市にある「多治見市美濃焼ミュージアム」への訪問がおすすめ。

 

展示はもちろん、体験やショッピングも楽しめるこのミュージアムでは、美濃焼の魅力を肌で感じることができますよ。

 

岐阜県に店舗を構える恵那川上屋では、岐阜県の名産品である栗を使ったお菓子や、季節の素材を使った創作菓子を販売しています。

 

「多治見市美濃焼ミュージアム」を訪れた後には、隣町の可児市にある可児店咲久舎 可児御嵩インター店もぜひご利用ください。

 

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