2020.09.18
パイとタルトの違いは何?定義や生地、歴史などさまざまな角度で比較
こんにちは!栗きんとん・栗菓子の「恵那川上屋」です。
サクッとした生地が特徴のパイとタルト。
なんとなく違いは分かっていても、それぞれの定義までご存知の方は少ないのではないでしょうか?
実はパイとタルトにはそれぞれ定義があり、発祥の地も異なります。
そこで今回はパイとタルトの違いについて、それぞれの特徴や歴史などを深く掘り下げてご紹介します!
パイとタルトの大きな違いはここ!作り方も比較
パイもタルトもサクッとした食感の生地が特徴ですが、どちらも小麦粉にバターを混ぜ合わせて作った生地を使用しており、実はタルトはパイの一種なのです。
同じ材料を使ったパイとタルトですが、大きな違いはその作り方。
パイは小麦粉の生地でバターを挟み、それを何度も伸ばしては折り返して作る「折りこみ生地」を基本的に使用しています。
このため、焼き上げて生地が膨らむことで、何層にも折り重なったことでできるサクサクとした食感を楽しめるのです。
一方、タルトは小麦粉にバターを練りこんで作る「練りこみ生地」を使用。
そのためパイのような層はなく、クラッカーのようなほろほろと崩れる食感になります。
そして、日本では見た目でも区別をしています。
パイは生地を型に敷き詰めてから具材を入れ、さらにその上から生地を被せて焼き上げます。
それに対して、タルトは焼き上げた生地の上に具材をのせたもの。
見た目にも大きく異なります。
「パイ」「タルト」の名前の由来や歴史の違いは?
パイとタルトは歴史についても大きく違いがあります。
名前の由来もあわせて、それぞれ詳しく見ていきましょう。
パイの名前の由来と歴史
「パイ」という名称は英語です。
パイの原型は、古代ギリシャ・ローマ時代の古代エジプト「ウテン・ト」や中近東「バクラバ」が起源。
肉や果物の持ち味を逃さないように、小麦粉と油脂を混ぜた生地に包んで焼いたことがはじまりと言われています。
そして16世紀ごろにはオーブンの進歩などにより、パイは素材を守るための役割ではなく、パイ生地自体をメインとして食べるためのレシピが次々と登場しました。
なお、イタリアではルネサンス期にアラブから伝わった菓子パンの影響から、小さく甘いパイが発展してヨーロッパ全域に広まっていったそうです。
タルトの名前の由来と歴史
「タルト」という名称はフランス語です。
古代ローマ時代に呼ばれていた、ラテン語で丸い皿状のお菓子という意味の「torta(トールタ)」が語源。
その時代にはまだスプーンなどのカトラリーが存在しておらず、液体の食べ物はとても食べづらかったそうです。
そこでタルト生地で器を作り、中にはちみつやクリームといった液体を流し入れて食べるようになったのが、タルトの起源だと言われています。
その後、「トールタ」が現在の名称でもある「タルト」に変化していったと考えられます。
※さらに詳しくは「タルトとはどんなお菓子?定義や歴史、発祥などを詳しく紹介!」もチェックしてみてくださいね!
パイとタルトは料理の視点でも違う?
生地や見た目、歴史などさまざまな観点で異なるパイとタルトですが、今ではフルーツやソースなど多様な具材で仕上げ、パイもタルトも種類豊富です。
しかし、パイは料理、タルトはお菓子として扱われることも。
例えばパイは、伝統的なイギリス料理のひとつである「フィッシュパイ」のように、魚や肉、野菜、チーズなどを入れて焼き上げた惣菜としても楽しまれています。
一方、タルトは果物やクリームを乗せたデザートとしてフランスから世界中に広まり、今でもタルトはお菓子として親しまれています。
近年ではチョコレートを用いたものなど、バリエーション豊かなタルトが販売されていますよ。
パイとタルトの特徴を知って、それぞれの違いを楽しもう!
小麦粉にバターを混ぜ合わせて作った生地を使用したパイとタルト。
その違いは以下の通りです。
<パイ>
- 生地:パイは小麦粉の生地でバターを挟み、それを何度も伸ばしては折り返して作る「折りこみ生地」を使用。
- 見た目:生地を型に敷き詰めてから具材を入れ、さらにその上から生地を被せて焼き上げる。
<タルト>
- 生地:小麦粉にバターを練りこんで作る「練りこみ生地」を使用。
- 見た目:焼き上げた生地の上に具材をのせたもの。
なお、恵那川上屋では栗山など、さまざまな栗の洋菓子のお取り寄せが可能です。
ぜひおうちでゆっくり楽しんでくださいね♪