2023.05.07

岐阜県が誇る世界遺産とは?無形文化遺産やその他の遺産もご紹介!

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こんにちは!岐阜県で季節の素材を使った創作菓子を販売する「恵那川上屋」です。

 

岐阜県は古き良き町並みや歴史的建造物が多く、国内外から多くの観光客が訪れる魅力的な地域です。

 

「白川郷の合掌造り集落」はユネスコ世界文化遺産ですが、他にもユネスコ無形文化遺産、ICID世界かんがい施設遺産、FAO世界農業遺産など、多くの守るべき遺産があります。

 

今回は岐阜県にある世界遺産や、後世に残したい伝統技術や文化、自然について、詳しくご紹介していきます。

 

この建物・行事が「登録されていたんだ!」という発見もあるかもしれません。

ぜひチェックしてみてくださいね。

白川郷の合掌造り集落

 

 

「ユネスコ世界文化遺産」とは?岐阜県にある世界遺産をご紹介

岐阜県にある世界遺産をご紹介する前に、「世界遺産」「ユネスコ世界文化遺産」とは何か、簡単に説明しましょう。

 

「世界遺産」とは、ユネスコ総会で決まった世界遺産条約に基づき「世界遺産リスト」に記載された、「顕著な普遍的価値」のある建造物・遺跡・自然・景観のことで、その中で「文化遺産」「自然遺産」「複合遺産」に分けられて登録されています。

 

「ユネスコ世界文化遺産」はこの文化遺産のことで、「顕著な普遍的価値を有する、記念物、建造物群、遺跡、文化的景観など」が登録されています。

日本ユネスコ協会連盟の例で示すと、インドのタージ・マハルやドイツのケルン大聖堂などです。

 

文化遺産は国際記念物遺跡会議(ICOMOS)で調査され、報告書をもとに世界遺産委員会が世界遺産リストに登録するかを判断します。

 

日本の文化遺産は2023年1月時点で20件と、かなり絞られた認定数になっています。

 

岐阜県にある「白川郷の合掌造り集落」はその中の1つですが、今も人々が暮らしている「生きた世界遺産」として、珍しい例であるといえるでしょう。

 

では、さっそくご紹介していきます。

 

岐阜県にある世界遺産「白川郷の合掌造り集落」とは?

梁(はり)の上に木材を合掌するように山形に合わせて建築された、勾配の急な茅葺きの屋根が特徴の「合掌造り」。

「白川郷合掌造り集落」には、その合掌造りの伝統的家屋が約100棟も連なっています。

 

白川郷合掌造り集落は、1995年に富山県にある五箇山と共に正式には「白川郷・五箇山の合掌造り集落」という名称で、ユネスコ世界文化遺産に登録されました。

 

合掌造りの中でも白川郷は雪の重さに耐えられる「切妻合掌造り」になっていること、今もその集落で人々が暮らしているという点において評価され、世界遺産として登録されたそうです。

 

昔から白川郷では屋根の葺き替えなどの作業を住民同士で助け合い、協力し合う相互扶助の「結(ゆい)の精神」が今も継がれており、そういった営みについても評価されたといわれています。

 

周囲を彩る広葉樹林も美しく、水を張った田んぼに家屋が映る「逆さ合掌」や四季折々の変化、日本民話の世界を体現したような風景は、日本人だけでなく海外の観光客にも人気です。

 

合掌造りの家屋は見た目よりも広く、中には屋根裏まで含めると5階建てになっているものもあり、屋根裏部屋は作業部屋(主に養蚕)があるなど、独特の造りになっています。

 

国の重要文化財に登録されている「和田家」や「旧遠山家住宅」など、実際に中に入って見学できる家屋もあるので、ぜひ一度訪れてみてくださいね。

 

また、白川郷について過去のコラム「岐阜県の白川郷を観光しよう!その魅力や人気スポットをご紹介」でも詳しくご紹介していますので、興味のある方はご一読ください。

 

 

岐阜県の「ユネスコ無形文化遺産」もチェック!

春の高山祭

「ユネスコ無形文化遺産」とは何か、知らない方も多いかもしれません。

 

無形文化遺産とは、文字通り建物などの有形の物ではなく、伝統的な音楽、舞踊、演劇、祭り、工芸技術といった無形の文化を指します。

 

この無形の文化を保護し、相互に尊重する機運を高めるために、ユネスコが条約を制定しました。

 

日本では2023年1月時点で23件の登録があり、岐阜県では「本美濃紙の技術」「山・鉾・屋台行事(高山祭の屋台行事、古川祭の起し太鼓・屋台行事、大垣祭の軕行事)」「風流踊(郡上踊・寒水の掛踊)」が登録されています。

 

それぞれご紹介していきましょう。

 

無形文化財「本美濃紙の技術」

本美濃紙とは美濃市で作られている手漉き和紙のことで、大子那須楮(だいごなすこうぞ)100%使用の楮(こうぞ)和紙です。

 

無形の文化財というのは物を指すわけではないため、登録されているのは本美濃紙ではなく、保持団体「本美濃紙保存会」が認めた紙を漉く技法が「和紙:日本の手漉和紙技術」として2014年にユネスコ無形文化遺産として登録されています。

 

岐阜県美濃市蕨生(わらび)地区に伝承されてきた「楮和紙」の制作技術で、原料処理を手作業で行って不純物純取り除いた楮の繊維のみを使い、流し漉きをして板に貼りつけて天日乾燥を行います。

 

流し漉きとは一枚一枚に時間をかける美濃独自の漉き方で、縦横に揺らしたり、宙揺りをしたりすることで、繊維がむらなく広がって美しく仕上がる技術です。

そのため、本美濃紙で作られた障子紙は最高級の障子紙として評価されています。

 

無形文化財「山・鉾・屋台行事(高山祭の屋台行事)」

山・鉾・屋台行事とは「地域社会の安泰や災厄防除を願い, 地域の人々が一体となり執り行う 『山・鉾・屋台』の巡行を中心とした祭礼行事」のことで、ユネスコ無形文化遺産に2016年に登録されています。

 

岐阜県で登録されている行事は3つありますが、その中の1つが高山市で行われている「高山祭の屋台行事」です。

 

高山祭は、日枝神社の例祭「春の山王祭」と櫻山八幡宮の例祭「秋の八幡祭」の総称で、日本三大美祭の一つとしても有名です。

 

それぞれ豪華絢爛な祭り屋台とともに、獅子舞などが巡行します。

 

屋台は高さ約6〜8mもあり、100個に及ぶ提灯や彫刻・刺繍が施された大幕など、華やかさだけでなく岐阜県伝統の技術も見ることができる貴重な機会です。

 

屋台ではからくり人形や囃子(はやし)なども上演され、見どころ満載の伝統行事といえます。

 

 

無形文化財「山・鉾・屋台行事(古川祭の起し太鼓・屋台行事)」

飛騨古川祭は飛騨市にある気多若宮神社の例祭で、2016年にユネスコ無形文化財に登録されています。

 

「御神輿行列」「起し太鼓」「屋台行列」という3つの行事を中心に、2日間に渡って行われるお祭りです。

 

奥ゆかしい行列が巡行する「静」の行事、迫力満点の太鼓を味わえる「動」の行事どちらもを楽しめます。

 

神楽、雅楽、闘鶏楽、獅子舞、台名旗が連なる御神輿行列を中心に、きめ細かな彫刻が施された華麗な屋台が町中を巡行し、中にはからくり人形が備えられた屋台や子供歌舞伎が催される屋台もあります。

2日目の夜になると屋台にたくさんの提灯が灯されるため、幻想的な美しい光景に。

 

一方「起し太鼓」は荒々しく賑やかな催しで、さらしを巻いただけの男たちが80cmの大太鼓を据えた櫓(やぐら)をかつぎ、大太鼓・小太鼓を打ち鳴らしながら巡行します。

 

天下の奇祭といわれており、日本でも有数の貴重な体験ができるでしょう。

 

無形文化財「山・鉾・屋台行事(大垣祭の軕〈やま〉行事)」

大垣祭は大垣市の大垣八幡神社で行われている370年余り続く城下町祭礼で、2016年にユネスコ無形文化財に登録されています。

 

「軕(やま)」とは、山車(祭礼の際に引いたり担いだりする出し物)のことで、岐阜県西濃地方のお祭りを中心に用いられている独自の呼び方です。

 

藩主下賜(はんしゅかし)の軕と、町衆の軕が併存する形態の祭事は、全国的にも希少といわれています。

 

全13両の装飾を施された軕が行列をなして城下町を巡行し、それぞれの軕で人形からくりや舞踊が楽しめます。

夜には軕に多数付けられた提灯の点灯を行い、夜宮が行われます。

 

無形文化財「風流踊(郡上踊・寒水の掛踊)」

風流踊とは、「風流」の精神を体現し、歌や笛・太鼓、鉦(かね:叩いたり突いたりして音を鳴らす金属でできた器具)などの囃子(はやし)に合わせて、きらびやかな衣装を着たり作り物で頭を装飾した人々が踊る民俗芸能です。

 

風流踊は用いる楽器やかぶり物、目的によってさまざまな名称で呼ばれており、岐阜県では郡上市八幡町に伝わる「郡上踊」、郡上市明宝の寒水(かのみず)地区に伝わる「寒水の掛踊」の2つの踊りが、2022年ユネスコ無形文化財に登録されました。

 

郡上踊は江戸時代から400年の歴史を持つ盆踊りで、毎年郡上市八幡町で開催されています。

 

「盆の4日間は身分の隔てなく無礼講で踊るがよい」と、城主が士農工商の融和を図るため奨励したことから広まっていったそうです。

そのため、見る踊りというよりも大人も子供も観光客も、一体になって参加するお祭りとしても有名です。

 

お盆の4日間には「徹夜踊り(徹夜おどり)」もあり、囃子(はやし)歌が次々に演奏される中、身振り手振りを変えながら明け方まで踊り続けます。

 

また、「寒水の掛踊」は約300年前から本巣市の白山神社に伝わる例祭で、歌や笛、太鼓、鉦(かね)などに合わせて踊ります。

 

大きな花飾りを背負って太鼓と鉦を打ちつつ踊る拍子打ち、その周りを多様な扮装で踊る踊り手、そして歌い手たちなど、総勢100人以上の役者が繰り広げるパフォーマンスは見応え満載です。

 

※各行事は毎年日程や時間、内容が異なる場合、中止・延期になる場合もあるため、ホームページで最新の情報をご確認ください

 

 

岐阜県の「ICID世界かんがい施設遺産」「FAO世界農業遺産」もご紹介

長良川

「ICID世界かんがい施設遺産」とは国際かんがい排水委員会(ICID)が認定する歴史的なかんがい施設のことで、「FAO世界農業遺産」とは国連食糧農業機関(FAO)が認定する世界的に重要な農業システム・地域のことです。

 

どちらも地球環境を守るために、次世代へ伝承していく目的があります。

 

岐阜県の「ICID世界かんがい施設遺産」

「かんがい」という言葉に馴染みがない方も多いと思いますので、少しご説明しますね。

かんがいは漢字で「灌漑」と書き、水路を作って水を引き、農業物を育てるために田や畑へ人工的に給水・排水をすることを指します。

かんがい施設は農地に水を供給する施設、農業⽤⽔路やため池などのことです。

 

岐阜県では、関市にある「曽代用水」がICID世界かんがい施設遺産に登録されています。

 

この曽代用水は長良川から取水し、美濃市および関市を流れる農業用水路で、2015年に世界かんがい施設遺産に登録されました。

 

江戸時代前期に地元の豪農である喜田吉右衛門氏、林幽閑氏、柴山伊兵衛氏が、幕府や藩に頼らず私財によって工事を行って作った、歴史ある農業用水路です。

 

岐阜県の「FAO世界農業遺産」

「FAO世界農業遺産」には独自性のある伝統的な農林水産業だけでなく、それに関わって育まれた農村文化や景観、土地利用なども含まれ、保全を目的に登録されます。

 

日本では2023年5月現在13地域が認定されていますが、岐阜県では2015年に「清流長良川の鮎」がFAO世界農業遺産として登録されています。

 

岐阜県の人々の長良川流域の森を育てる活動、川を守る活動が長良川の清流を保ち、そこで育つ鮎は、岐阜県で長く愛されている食糧であり「岐阜の味」ともいえる存在です。

 

また、長良川の水を利用することで和紙や染物などの伝統産業も発達しており、経済の発展にも寄与しています。

 

鮎は長良川の豊かさの象徴というだけでなく、長良川周辺地域の食・歴史・伝統文化・経済とも結びついており、水環境や漁業資源が暮らしと密接につながって循環する「長良川システム」として、国連食糧農業機関(FAO)に認められました。

 

長良川の魅力や周辺のおすすめ観光地については「岐阜県長良川周辺の観光のおすすめは?魅力や見どころを紹介!」でもご紹介しています。

 

なお、世界的にも日本においても継承していきたい、さまざまな遺産があることをご紹介してきましたが、岐阜県には伝統工芸品も多くあります。

 

以下のコラムも、ぜひチェックしてみてくださいね。

岐阜県の伝統工芸品とは?工芸体験ができる施設も紹介

 

 

岐阜県の世界遺産や無形文化遺産のお祭りにぜひ訪れて

岐阜県には指定文化財に登録されている伝統的な建物や文化が多く残っており、その古き良き日本らしい町並みを見に、海外からも多くの観光客が訪れています。

 

岐阜県にある世界遺産といえば「白川郷の合掌造り集落」。

正式には「白川郷・五箇山の合掌造り集落」で登録されています。

 

豊かな自然に囲まれ、合掌するように山形になっている茅葺きの屋根が約100棟並ぶ様子は、岐阜県でしか見れない日本の原風景として全国的にも有名です。

 

芸能や伝統技術が登録されるユネスコ無形文化遺産には、「本美濃紙の技術」や山・鉾・屋台行事の「高山祭の屋台行事」「古川祭の起し太鼓」「大垣祭の軕(やま)行事」、風流踊の「郡上踊」「寒水の掛踊」が登録されています。

また、ICID世界かんがい施設遺産として「曽代用水」、FAO世界農業遺産としては「清流長良川の鮎」が登録されています。

 

このコラムで興味を持った方は、ぜひ訪れてみてください!

 

岐阜県には美味しい料理やお菓子もたくさんあります。

恵那川上屋の各店では岐阜県の名産品である栗を使ったお菓子や、季節の素材を使った創作菓子を豊富に取り揃えていますので、岐阜県観光の際に一緒に味わってみてくださいね。

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